葬儀のマナー

「天理教」の葬儀マナー

天理教では葬儀の意味合いを理解すべき

天理教の教えでは、人の体は神様から貸し与えていただいているものであり、神様は人の親として様々な指導、導きをしてくれると考えます。
そのため人がお亡くなりになった際には、貸し与えていただいた体を神様にお返し、新たに新しい体を貸し与えていただけるまで、魂を神様にゆだねるとし、葬儀についてもこの考えが元となるのです。

一般的に仏式で行われる通夜式は天理教の場合「みたまうつし」という儀式にあたります。
神道の一種と考えられていますが、葬儀を行う場所は神社ではなく、全国にある教会が葬儀会場です。

天理教の葬儀の流れを理解しよう

天理教の葬儀は一般的な仏式の葬儀とは違います。
通夜にあたる「みたまうつし」は、祓詞を奏上しお払いの言葉を述べるところから開始です。
魂を体から移して神様の御許へ届ける儀式がみたまうつしとなります。
お供物を神様の前に備え、斎主が玉串奉献を行い「しずめの詞」を唱えるのも特徴的です。

これはみたまうつしを終わらせるためのもので、みたまうつしの儀式の中で特に重要なものとなります。
世話役が列拝を行ってから参列者が玉串奉献を行い、みたまうつしの儀式終了です。

告別式でもお供物をささげ詞を奏上し玉串奉献など行います。
こうしたみたまうつし、葬儀の流れは天理教の葬儀の一例です。
地域によって同じ天理教の葬儀でも流れなどが違うこともあります。

玉串奉献の作法を覚えておくべき

天理教ではみたまうつし(通夜)と告別式両方で玉串奉献を行います。
一般的な仏式の葬儀しか参列したことがないという方は戸惑うと思いますが、作法を理解しておけば安心です。

神道の葬儀と同様で両手で玉串をいただきますが、この時、右手の手のひらを下へ、左手の手のひらは上にして受け取ります。
玉串を右に回し(時計回り)祭壇のほうに茎を向けるようにして静かに置くのが玉串奉献の作法です。

それから参拝しますがここにも作法があるので理解しておきましょう。
玉串奉献の後、祭壇の前で2回礼をし、柏手を控えめな音で4回、それから1拝します。
再度控えめな音で4回柏手を打ち一礼して終了です。

柏手は葬儀の際、通常は「しのび手」と呼ばれる音を立てない柏手を行います。
しかし天理教ではしのび手ではなくてもいいとされているのです。
神道の葬儀の中でも、この柏手の違いが天理教の大きな特徴といえます。

お香典はどのように持っていけばいいのか

神道となるため、蓮の花が描かれた香典袋は利用せず、こうした絵のない香典袋を準備します。
表書きは「御玉串料」「御榊料」「御霊前」などです。

水引は地域によって違いがあり、黄色と白を利用するところ、黒と白を利用するところ、また銀色を利用することもありますが、必ず「結び切り」となります。
また香典返しに「偲草」という表記が使われるのも珍しいことなので覚えておくといいでしょう。